若年ゴルファーを呼ぶゴルフ業界再生と活性化の鍵を握るものとは|リアルホットスポーツ

  • フリーライター求人
2015年9月25日
若年ゴルファーを呼ぶゴルフ業界再生と活性化の鍵を握るものとは

ゴルフの魅力は、愛すべき仲間たちと和気あいあい、楽しくラウンドすることだ。2015年問題、2025年問題から見えてくる本質に対し、業界の構造や意識の改革を提案することで打開の糸口にしたい。時代が変わっても、多くの人から愛されるゴルフであってほしい。

WEBライター
  
G

ゴルフの魅力と東京五輪

大の大人が夢中になる魅力はどこにある?

1800年代の後半から世界各地に普及しはじめたゴルフ。日本国内には昔から、のめり込みが過ぎれば「家を一軒潰す」との格言がある。

ままならないのが人生だが、それはゴルフも全く同じ。だからこそはまってしまうのだ。 人生の縮図ともいうべきゴルフを心底愛する仲間たちとラウンドし、向上を目指す。
ゴルフの本当のおもしろさを体感するには、何といっても観戦より断然、プレーしてみることが一番。自分のショットが美しいフェアウェイに弧を描くさまは、何ともいえず鼓動の高まる感覚だ。

2020年東京五輪のコースは「霞ヶ関カンツリー倶楽部」

霞ヶ関カンツリー倶楽部はメンバーシップで、埼玉県川越市に位置する。
使用コースについては実は一度、東京の若洲ゴルフリンクスに決定していた。オリンピック村から8キロ圏内、羽田空港から15分という絶好のロケーション。
都が所有するパブリックコースであり、閉会後のメリットも限りなく望めるはずが、突然の変更になった。
これに異議を唱え、変更された経緯が不透明だとして業界内でも物議を醸してきたため、あるいは再変更がないともいいきれない。

高まる危機感

2015年問題と2025年問題とは

国内ゴルフ人口の中核をなすのは40~60歳以上、最多は65歳以上の団塊世代である。
彼らが退職時期を迎えたことで徐々にゴルフ仲間が減るなど、大幅減少が危惧されてきた。さらに顕著になるのが2015年以降、特に2018~2023年にかけ一気に減少度合いが加速するというものだ。
2014年現在720万人ほどいるゴルフ人口の多くが、10年後には75歳以上に。さらなる市場縮小が「2025年問題」として指摘され、危機感が高まっている。
imasia_12579946_M

市場規模の推移と現状

市場の縮小については、若年層を中心としたゴルフ離れが以前から目立ってきていた。
コースや練習場だけでなく、ウェアやクラブなどを含めた市場は、1990年代はじめにバブル崩壊してからというもの、縮小の一途。
1992年のピーク時には2兆円程度だったが、2010年には9600億円ほどと、半分以下にまで落ち込んだ。
日本ゴルフ場事業協会の統計によると、ゴルフ場の数は2009年の2,445から2,385に、延利用者数も同じく91,642人から86,746人と減少している。

国内の様々な取り組み

業界をあげて若年層や女性の取り込みに力を入れているが、他業界の参入も仰ぐ。
女性のみのゴルフツアーを企画する旅行会社やアパレル業界のファッショナブルなウェアの投入をはじめ、ゴルフ場や練習場もレディースデー導入や各種優待、平日割引はもはや常識。
情報サービス大手企業とタッグを組み、20歳になる若年層の1年間ゴルフ無料サービスが一時提供された。
ほかにも機械化を導入したコストダウンや、低価格戦略の充実を図る一方で、高級路線を打ち出すなどの動きもある。
様々な取り組みにより2013年以降は、前年に比べ極わずかな持ち直しが見られる。

とり巻く問題と打開の糸口 

特権意識の旧態依然に未来はない 

ゴルフが「金持ちの娯楽」といわれてきた背景に会員権システムがあり、名義書き換え料など多くの難題が山積している。
バブル崩壊後は国内ゴルフ場の大半が赤字運営で、課税や必要費用の滞納により運営資金に充填しているのが実情。「特権意識」はもはや、作られた虚像だということか。

もちろん名門コースは少数ながらも存在し、その会員権は真に価値がある。
だが外資ファンドの参入が相次ぎ、地図が塗り変わったことで新たな悪循環が生まれたことは否定できない。
日本生産性本部の「レジャー白書」からも、プレーフィーがピーク時の半分ほどに下落しているのは明らか。低価格で集客を図ることにより、さらに収益が悪化する。

ゴルフ場の数は減ったとはいえ、供給過多は未だ相当なもの。とはいうものの大量の雇用確保や債権回収、会員権の無価値化などの懸念から、簡単には潰せない状況なのだ。
業界によらず合併や再編が盛んだが、ゴルフ業界だけはずい分遅れている。しかしそれよりも既得権益層や、天下り先の椅子を排斥することが不可欠だ。

望まれる構造改革と意識改革

権威というのは、あくまでも保守的なもの。もちろんルールやマナーは大切だが、細かなドレスコードなどゴルフほど小うるさい競技も、ちょっとほかにない。
あまりに厳格で堅苦しいと、反発を覚える若者は多いだろう。

特権意識ゆえの意地悪さを持つ会員や業界関係者もいることは確かで、排他的な心根では衰退するばかり。小さな懐ではすぐに満杯、溢れてしまう。
新しい層を取り込もうとするのなら、まず懐を大きく深く作り直すことが先決ではないだろうか。おしゃれなウェアなどで釣れるのは、たかが知れている。

これだけ情報が氾濫し、科学も技術も進化した現代、セント・アンドリュースの威厳を押しつけようとしても、受け入れる若者は少ない。
世代交代という重大な局面において「ステイタス」を追うのか、それとも「楽しさ」を平等に分け合うのか、選択を迫られているといえるだろう。

「星のもとに生まれた星」を発掘する

現代のアスリートゴルフのきっかけを作ったのは、かつて彗星のごとく現われたタイガー・ウッズ。
度重なる怪我やフォーム改造による不調、例のスキャンダル問題など話題にも事欠かないが、あの強烈なスター性は誰も否定はできない。
国内ゴルフにも、スターになるべく「星のもとに生まれた星」、そんな存在が必要だ。

さらに提案がある。段階を踏み、会員制コースの数をさらに大幅に減らすべきではないだろうか。
ゴルファー皆が、もっと活発にパブリックを利用することで、どんどん公共の裾野が広がっていく。
昨今は、会員制とは名ばかりのゴルフ場も多い。パブリックと半分ずつ運営を分けるなど、時代に即した生き残り策を選択すべき時が来たといえるのではないか。
従来にない新しい運営のゴルフ業界に、「セミパブリックの星」が現われてもいい。
ルールや業界構造などの大幅改定を目指し、ゴルファーひとりひとりが署名を集めることも、きっかけとしてアリではないだろうか。
多勢の意見や嘆願書を世界権威の競技団体や国内ゴルフ協会などへ送り、働きかけを続けることで、新しい道をつくる。その際にはもちろん、微力ながらも参加したい。
Sexy golfer girl

著者:七飯茶々

WEBライター
アイコン
旅とゴルフをこよなく愛する「とりあえず離陸型」で、向こう見ずなところも。好奇心旺盛で情に厚く、人を楽しませるのが大好きな性格です。よろしくお願いします。