【第9回】バスケットボール女子代表コーチ、ハグリー・オーティスが熱血すぎる|リアルホットスポーツ

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2015年9月8日
【第9回】バスケットボール女子代表コーチ、ハグリー・オーティスが熱血すぎる

8月13日から16日まで日本代表は国際試合を開催した。その中で、女子の日本代表VSチャイニーズ・タイペイ戦で、日本代表勝利以上に印象に残った人物がいた。それはチャイニーズ・タイペイ女子代表ヘッドコーチ、ハグリー・オーティス氏だ。

熱誠のライター
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すごい熱血先生みたいに

その男はずっとベンチ前を歩きまくっていた。
という表現が適切だ。
その男の名前はハグリー・オーティス氏。
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さすがに一国の代表ヘッドコーチともなると、若手の選手が集まるとなると話は別だが、選手も国のトップクラスが揃うわけで、今更細かい基本的なことを言っても仕方がない部分があるだろう。
と僕は思う。
国のトップクラスとなれば、テクニックもメンタルもトップクラスな訳で、あとは戦術面でどのように組立てるかというところになる。

ハグリー・オーティス氏の略歴

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ハグリー・オーティスヘッドコーチの英語表記は(HUGHLEY, Otis)だ。
彼の略歴を調べると、NBAのキャリアが書いていた。
台湾のサイト、台灣籃球維基館で調べてみた。
コーチのキャリアをどこでスタートしたかは明確でないが、NBAサクラメントキングスでアシスタントコーチを2010-2011シーズンで担当していた。
NBA関連で繋げると、2014-2015シーズンを制したゴールデンステイト・ウォリアーズのムービーアナリストも2012年に担当していた。

中国に話を向けてみると、2002年中国CBA山東フレイミングブルズ(現山東ライオンズ)でヘッドコーチをしていた。
台湾においては、2013-2014シーズンより活躍されていて、台湾のプロリーグSBLで2チームコーチとしての実績があり、2014年は男子のチャイニーズ・タイペイ代表ヘッドコーチとなる。
2015年からは女子の代表ヘッドコーチとなり、今回親善試合のため、日本に来日していた。

日本対チャイニーズ・タイペイをチャイニーズ・タイペイ側から見ると

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日本と対戦した3試合は、完敗だった。
ハグリーヘッドコーチが考えていたスタート5の選手が欠場していたという情報もあったが、日本のディフェンスに手も足も出なかったという印象が強い。
でも、アジア選手権2013のベスト4に入ったチームだから、実力差があるわけではない。
13日のゲームにおいては、日本代表のアウトサイドシュートがよく入ったということもあり得点差が出た。
対象的に、16日のゲームについては、リバウンドの数は互角だけれど、ミドルレンジでのシュート確率に差が出た。
16日のゲームだけを考えれば、日本代表の走るバスケットボールに翻弄された形になり、チャイニーズ・タイペイのバスケットボールはヘッドコーチの思う形では表現できなかったであろうと推測する。

そんな中、喜怒哀楽激しく選手を鼓舞し続けた

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ハグリーヘッドコーチは、劣勢の中でもひとりベンチの前で選手に声をかけ続けた。
シュートが入った時は大きくジャンプして喜び、ヘッドコーチ自身が不満に思ったプレイに関しては、本気で床を蹴るような仕草を見せ悔しがった。
日本代表内海ヘッドコーチが、ずっと座って戦況を見つめ、時々選手に声を掛ける姿とは対照的な姿だった。
ゴール下で日本代表選手のプレイにカメラを向けていた視界に、いつも彼が入り込んでくるぐらいすごい存在感だった。

だからこそ、彼がベンチの椅子に座っている光景を見られなかったし、座っていたという記憶が無い。
試合前のアップから、手を叩いて気合を注入していた。
僕は、日本のプロバスケットボールチームを中心に取材をしてきたが、ヘッドコーチ自らが手を叩くのはあまり見たことがなかった。
(唯一、信州ブレイブウォリアーズ時代の河合竜児ヘッドコーチが試合前のアップの時にゴール下で鼓舞していたのは覚えている。)

ハグリーヘッドコーチの哲学を知りたい

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熱血漢あふれる指導者というものは、僕の記憶が正しければ、哲学を持っていた。
例えば、野球で行くと、元楽天・阪神で長年監督をされてきた星野仙一氏。
タイプ的には違うかもしれないが、ミスタージャイアンツ長嶋茂雄氏。
テニスで行くと、かつてウィンブルドンテニスでベスト8にも進出した松岡修造氏。
今世界で活躍している錦織圭選手の幼少時代の師匠でもある。
この3人に共通していることは、言葉・声で選手の気持ちを高める哲学があると僕は思う。
3人共、ベースになっている部分は違うかもしれないが、いずれも名指導者だ。
この3人と同じ匂いがしたのは僕だけだろうか。
もし機会があれば台湾に行き、彼に指導の原点にもなっている哲学を知りたい。
これからアジア選手権が控えている。
日本代表同様に、チャイニーズ・タイペイの戦いぶりにも注目したい。

著者:マンティー・チダ

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スポーツが得意ですが、自分の興味があるものも含めてチャレンジしていきたいと思います。ぜひ宜しくお願い致します。